2022/02/15 17:16
限りある資源を生かしたい
木は年輪を刻み年々太く成長していきます。丸太を輪切りにして見たとき、外側の若い白い部分(シラタ、辺材あるいは早材ともいいます。以下:シラタ)と内側の赤い部分(赤身、晩材ともいいます。以下:赤身)、そして中心の芯の部分(芯材)に大きく分けられます。
シラタは建築用材としては問題ありませんが、縮み率が大きく、腐れも多く、また、赤身とシラタが混じると色ムラやバラツキが出てしまう。このような理由で同品質同規格の定番品を製造する工芸品には不向きであったため、「大館曲げわっぱ」は現在も基本的に赤身のみを使用して作られています。しかしながら、シラタは材料に必ずあり、平均25%程度、極端なものでは50%のものもあります。
私たちは、この貴重な材をどうにかして有効活用できないか、シラタを生きた製品に変えたいと、試行錯誤を繰り返してきました。そして、度重なる研究と試作を経て、このたびようやくシラタ部分も活用し、器としての品質を保った製品を作り上げることができました。